悔しさと感慨の涙=新濱、苦難乗り越えて―スピードスケート〔ミラノ・コルティナ五輪〕



新濱の目は真っ赤だった。男子500メートルの表彰台を狙っていただけに、日本勢最高の6位という成績に満足はできない。ただ、「今シーズンのベストをこのレースに持ってこられたのは事実。そこに関しては本当に満足している」。悔しさと感慨が入り交じった涙。複雑な感情に包まれていた。

100メートルの通過タイムが、全体8番目の9秒60と伸びなかったのが響いた。銅メダリストとの差は0秒2。「ミスをした中でも、あれが今の100%だと思う」。潔く結果を受け入れられるのは、4年間の苦闘があったからだろう。

2024年に腰椎骨折、昨年には交通事故。度重なるアクシデントとの闘いだった。競技を続けられるのかという不安に何度も襲われた日々は、「精神的にも肉体的にも苦しかった」。五輪にピークを合わせられたわけではない。それでも、この場に立てた充実感は確かにある。

4年前に自分へのふがいなさから流した涙とは意味が異なる。前回北京五輪は優勝候補として臨みながら、スタートに失敗して20位。ストルツ(米国)らが台頭してきた中で、今度は若手を追う立場として挑み、全力を尽くした。

心は強くなった。支えとなる人が増えた。24年にはカーリング女子で五輪メダリストの吉田夕梨花(ロコ・ソラーレ)と結婚した。「いろんな仲間たちがいたからこそ、この4年間、常に前向きにやってこられた」と感謝の思いは尽きない。レース後、リンクを周回しながら応援の声に何度も手を振った。

今年、30歳になる。スピードスケート選手としては十分に脂が乗った年齢。「おそらく次が最後の五輪になるだろうと思うが、30年までは絶対にやり切る」。苦難を乗り越えた経験は、また次に進む原動力となる。

【時事通信社】 〔写真説明〕スピードスケート男子500メートル、滑走を終えた新濱立也=14日、ミラノ郊外 〔写真説明〕スピードスケート男子500メートル、滑走する新濱立也=14日、ミラノ郊外 〔写真説明〕スピードスケート男子500メートル、滑走する新濱立也=14日、ミラノ郊外

2026年02月15日 19時04分


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