政府は、2022年に制定した経済安全保障推進法を改正し、経済安保上の重要事業についての企業の海外展開を促進する。日本企業の影響力を増し、技術的な優位を築くのが狙い。国際協力銀行(JBIC)に新制度を設け、国が損失リスクを引き受けることで資金調達などを支援する。18日召集の特別国会に改正案を提出する。
経済安保推進法の改正は制定後で初となる。背景には、ロシアによるウクライナ侵攻といった国際情勢の激変や勢いを増す中国の経済的威圧、社会構造の変革をもたらす生成AI(人工知能)をはじめとした先端技術の開発競争の激化がある。
物流の要である港湾やAI開発に不可欠なデータセンターの整備などを念頭に「特定海外事業」を設定し、支援する方向だ。JBIC法の規制を緩和し、海外事業で損失が発生した場合にJBICが他の投資家よりも先に引き受ける「劣後出資」という仕組みで資金拠出を可能とする。損失リスクを減らし、民間資金を呼び込むのが狙い。事業計画を精査し、野放図な資金要請には歯止めをかける考え。
また、シンクタンクを設立し、経済安保上の重要物資を確保する上でのサプライチェーン(供給網)の課題分析に取り組むほか、国際連携で調査研究能力の向上を図る。シンクタンクは、経済産業省所管の独立行政法人、経済産業研究所(RIETI)に置く。外交、情報、防衛、経済、技術の専門人材を集めて機動的に政策提言する。海外の研究機関とも連携して課題を共有する。
このほか、国外からの「基幹インフラ」に対するサイバー攻撃を防ぐ制度の対象分野に医療を追加。重要物資の確保だけでなく、その供給に欠かせない「役務」も政府が支援する。光海底ケーブルの敷設などが対象となる。
【時事通信社】
2026年02月15日 19時04分
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