
アルペンスキー男子の日本勢で、ただ一人ミラノ・コルティナ五輪に出場する相原史郎(小泉ク)。初出場の25歳をプライベートコーチ兼コーディネーターとして支えているのが、工藤聡さん(47)=コマクサファーム=だ。「いい状態をつくってベストパフォーマンスを出してほしい」と16日の回転のレースを見守る。
五輪開幕まで1カ月を切った1月11日。スイス・アデルボーデンでのワールドカップ(W杯)回転で、相原と工藤さんたちスタッフが積み重ねた努力が実った。世界屈指の難コースを攻めて1回目で30位。2回目は順位を上げ、25位でフィニッシュした。
W杯得点を得られる30位以内に初めて入った意味の大きさは、世界の壁が厚いアルペン界に生きる者なら誰しも実感する。五輪出場を手繰り寄せ、「全てがかみ合った。世界が変わった」と工藤さんも喜んだ。
相原と工藤さんは親の代から縁が深い。工藤さんの父の裕さん(故人)は、北海道・北照高の名指導者。W杯滑降で9位に入った実績がある相原の父の博之さんは教え子だった。1月のレースは息子の躍進を工藤さんがサポートする形となり、「僕にとっては(指導者としての)一つの壁を越えられた瞬間」と感慨深げだ。
工藤さんは2年ほど前、スキー距離で五輪5大会に出場した石田正子さんと結婚。五輪に向けた海外遠征が続き、昨秋に生まれた娘にもあまり会えていないが、大舞台に関われることに「ありがたい」と言う。「相原先生がなし得なかったもの(五輪出場)をクリアした。日本の国旗をつけて滑る以上は、誇りを持って出てほしい」と相原を後押しする。
【時事通信社】
〔写真説明〕アルペンスキー指導者の工藤聡さん(右)(石井壱国さん提供)
2026年02月15日 19時03分