
187センチの背丈に、幕内で一番重い197キロ。恵まれた体格の熱海富士が開花の時を迎えている。2022年九州場所で新入幕を果たしてから所要20場所。静岡県からは96年ぶりとなる新三役の座を射止めた。「ちょっと遅くなったが、うれしい」と感慨を込める。
1月の初場所は豊昇龍、大の里の両横綱から金星を獲得。優勝争いに絡む活躍を見せ、安青錦と賜杯の行方を争った決定戦では、敗れはしたが持ち前の馬力で窮地に追い込む場面も。横綱、大関陣も警戒する存在だ。
「他の人に比べて器用ではない。(稽古場で)言われたことを理解し、行動に移すまでが遅い」と自己分析する。いったん幕内上位に定着したが、昨年は安定した成績を残せず、東前頭12枚目まで番付を下げたことも。不器用な大器は、その1年間に足踏みした経験を転機と捉えている。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)と幕下、十両時代の映像を見返し、がむしゃらに前に出る姿を再認識。「足を出せ」との教えが、殻を破るきっかけになった。今場所前の申し合い稽古でも、その足の運びを再確認する場面があった。
「優勝や上の番付を目標にして、もっと相撲を頑張る」と向上心は尽きない。助言をくれた師匠は、他の弟子へ暴力を振るったことを申告し、日本相撲協会の聴取を受けている。場所に集中しづらい状況の中、一心に前に出て浪速の土俵を沸かせたいところだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕春場所に向け、稽古で汗を流す熱海富士=2月27日、大阪市
2026年03月04日 07時11分