
五輪出場枠の女性比率は、2024年パリ夏季大会で史上初めて5割に達した。日本オリンピック委員会(JOC)で初の女性トップに就いた橋本聖子会長がこのほどインタビューに応じ、「時代とともに女性が参画しやすくなってきたが、受け入れ体制が重要」と語った。
自身が大会組織委員会会長を務めた21年東京五輪で、選手村の診療所に「女性アスリート科」を設けた。鍼灸(しんきゅう)マッサージ、メンタルケア、歯科まで全て女性が担当。宗教的に女性以外に診てもらえない選手、女性特有の問題を抱えた選手もいて、「今までにない結果が出た。いいヒントを与えられた」。今後の大会での継続を期待する。
スポーツ界で活躍する女性は時代とともに増えてきたが、橋本会長は「出産を経験して戻るケースはまだ少ない」と指摘する。女性アスリートが長く活動を継続するにはスタッフにも女性が欠かせず、「女性のトレーナー、スポーツドクター、監督やコーチがいないと安心して続けられない。まだ足りない」という。
選手やスタッフが育児をしながら競技に携わるための取り組みとして、柔道やセーリングなど大会で託児所を設ける国内競技団体もある。こうしたサポート体制について、「もう少し手厚くしていきたい」と述べた。
◇キャリア支援必要
笹川スポーツ財団の24年度調査によると、女性理事が4割以上の中央競技団体は約3割にとどまる。橋本会長は「ただ数を増やすだけではなく、選手時代からキャリア支援が必要。実績と経験のある選手、監督やコーチが各団体の役員やトップになる層を広げていかなくては」と話した。
国際オリンピック委員会(IOC)で初の女性トップに就任したカースティ・コベントリー会長(ジンバブエ)とも思いを同じくしている。昨年会談した際、スポーツ界における女性キャリア支援に関し、「いい取り組みをしている国の情報を共有する必要がある」との認識で一致したという。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに答える日本オリンピック委員会の橋本聖子会長=2月26日、国会内
〔写真説明〕国際女性デー2026
2026年03月04日 14時35分