原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、東京都小笠原村の南鳥島が新たな候補地として浮上した。太平洋上に位置する日本最東端の離島で、地盤が安定している上、全体が国有地のため、他の候補地と比べ地元理解は得られやすそうだ。ただ、輸送費や施設建設などの点でハードルもある。
都や村のウェブサイトなどによると、南鳥島は東京の約1950キロメートル南東に浮かぶ島で、面積は皇居とほぼ同じ約1.5平方キロメートル。海上自衛隊や国土交通省、気象庁の施設があり、職員が駐在しているが、一般住民はいない。
島内には利用していない土地があり、廃棄物を埋める地下深部は火山や活断層の影響を受けにくいとされる。専門家の間では以前から地質の安定性に着目し、同島を処分場建設の有力な候補地として挙げる声もあった。
一方、東京から船で片道4~5日かかるというその遠さは課題だ。本土にある他の候補地に建設するより廃棄物の輸送費は高くなる。面積が小さく、処分場の地上施設に必要な1~2平方キロメートルの敷地を確保できるかも不透明だ。経済産業省の担当者は「6~7割は掘削土置き場のため、工夫の余地はある」と話す。
また、同島周辺の海底ではレアアース(希土類)を含む堆積物が見つかっている。地元の理解が得られれば、同省は資源開発への影響も含め、今後の調査で実現可能性を精査する考えだ。
【時事通信社】
2026年03月04日 07時19分
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