
ミラノ・コルティナ・パラリンピックのアルペンスキー男子座位の鈴木猛史(カヤバ)は、15日に行われる最終種目の回転で3大会ぶりの金メダルを狙う。2018年平昌、22年北京の2大会はあと一歩でメダルを逃した。今大会へ向け、成長を支えたのは国立スポーツ科学センター(JISS)のメンタルトレーナー、立谷泰久さん(55)だ。
鈴木は14年ソチ大会で金と銅を獲得。その後は精神面の弱さが影響し、大一番で結果を出せなかった。「メンタルは自分しか分からないという変なプライドがあったけど捨てよう」。そう決意し、JISSを頼った。
24年5月、2人は初めて会った。ミラノ・コルティナ大会への鈴木の覚悟を感じ、立谷さんは背筋が伸びたという。重圧を感じる時、逆に金メダルを取れた時の精神状態はどうだったのかを丁寧に聞いた。月1回ほどのペースで対面やメールでやりとりし、レース前に気持ちを落ち着かせる方法などをレクチャーした。
ワールドカップ(W杯)などでさまざまな方法を試し、今季、ルーティンが完成した。スタート前に胸を3回たたいて「自分はできる」と言い聞かせる。そうすると「気持ちにスイッチが入った」と鈴木は言う。
1月のW杯で9年ぶりに優勝。結果が出て手応えをつかみ、「鈴木さんはいい表情になってきた」と立谷さんは言う。鈴木も「今は自分を信じられる」。13日の大回転では4位に入った。上げ潮の状態で本命種目を迎える。
【時事通信社】
〔写真説明〕アルペンスキー男子大回転座位、2回目の滑走を終えた鈴木猛史=13日、コルティナダンペッツォ
2026年03月15日 07時10分