
今大会から甲子園で指名打者(DH)制が導入された。1回戦でDHを使ったのは、出場32校中26校。導入の背景となった「投手の負担軽減」と「選手の出場機会の増加」など攻守に利点がある一方、運用にはまだ試行錯誤がうかがえる。
投手にとっては、打席に立たなければ投球に専念することが可能で、体力の温存につながる。味方の攻撃中は次の投球の準備に集中でき、中京大中京のエース安藤は「打順が回ってくるとキャッチボールができず、出力が上がらないこともあった。それがなくなったのはよかった」と効果を口にする。
打撃に優れた選手や、故障明けの選手に出場のチャンスが広がることも魅力。1回戦でDHは6~8番での起用が多く、4番は2校のみ。大阪桐蔭の谷渕は「少し重圧もあるが、打撃に専念できるので楽」。準々決勝までの3試合で1本塁打を含む5安打5打点と、4番の役割を果たしている。
投打で主力の山梨学院の菰田は、「2番一塁」で出場した1回戦の守備で左手首付近を骨折。DHで起用していれば負傷は避けられた可能性がある。吉田監督は「一塁、どの守備位置もけがのリスクはある。この経験を生かして考えていきたい」と話す。
先発投手がDHを兼務できる「大谷ルール」を使用したのは、八戸学院光星だけ。1回戦でエース北口は完投。2回戦と準々決勝は4番DHで出場し、その後、救援登板した。
1回戦のDHの打率は1割台だった。智弁学園の小坂監督は「試合への入り方はDHが一番難しい。高校野球は守りからのリズムが普通」と指摘した。
【時事通信社】
〔写真説明〕準々決勝の英明戦、6回に大阪桐蔭の谷渕が勝ち越しのソロ本塁打を放つ=27日、甲子園
〔写真説明〕1回戦の長崎日大戦、5回の守備で打者走者(右)と交錯する山梨学院・一塁手の菰田=22日、甲子園
2026年03月28日 20時48分