
第98回選抜高校野球大会は、大阪桐蔭の5度目の優勝で幕を閉じた。1回戦で完封、決勝で完投した左腕の川本を中心とした投手陣は、出場校の中で屈指の充実ぶり。打線は好機で確実に得点し、5試合中3試合を1点差で競り勝つ勝負強さが際立った。
準優勝の智弁学園は、左腕杉本が大車輪の活躍でチームを決勝まで導いた。春夏通じて初めて4強入りした専大松戸も、右腕門倉の力によるところが大きかった。2人の躍動は大会を彩ったが、両校は頂点に届かず、エース1人では勝ち切れないという近年の傾向を改めて示した。
甲子園大会で初めて導入された指名打者(DH)制は多くの学校が利用。打撃に専念する選手が「10人目」のレギュラーとして加わった。ただ、大会本塁打こそ昨年の6本から9本に増えたものの、2桁得点の試合は6から3に半減。ロースコアの接戦が続いたのは、負担軽減によって投手が得る恩恵が、打線の強化という側面を上回ったと言えそうだ。打者が有利とされる夏には違った傾向が表れる可能性もある。
無失策試合はなし。守りのミスや四球から失点するケースが目立ち、全体的に発展途上のチームが多い印象だった。横浜の織田、沖縄尚学の末吉、山梨学院の菰田といった注目選手たちは思うように力を発揮できないまま敗退。今回の経験を糧に、各校の選手が夏に一回り成長した姿で甲子園に戻ってくることを期待したい。
【時事通信社】
〔写真説明〕力投する大阪桐蔭先発の川本=31日、甲子園
〔写真説明〕力投する智弁学園先発の杉本=31日、甲子園
2026年04月01日 07時10分