
九回2死。大飛球がフェンス際で中堅手のグラブに収まると、ヤクルトの奥川は両腕を上げた。「だいぶ、ひやっとした」。レギュラーシーズンでは初の完封に「ほっとしました」。捕手の中村悠と抱き合って喜んだ。
相手は強力なソフトバンク打線。完封は頭になかった。「長いイニングは捨てた。いけるところまでいこうと」。一回、この日最速の154キロで3番近藤を空振り三振。その後も直球、フォーク、スライダーで凡打の山を築いて二塁も踏ませず、9奪三振。2時間21分で試合を終わらせ、「たまたまうまくいった」と控えめに話した。
リーグ優勝に貢献した2年目の2021年は9勝。クライマックスシリーズでは完封勝利を挙げた。しかし、翌年以降は右肘のけがなどで離脱を繰り返す。苦しむ奥川を、2軍監督時代から見ていた池山監督は「こういう姿を思い描いていた」と感慨深げに言った。
将来のエースと呼ばれ続けた25歳は「しっかりオフからやってきたことを出せた」。完全復活を思わせるマウンドになった。
【時事通信社】
〔写真説明〕ソフトバンクにプロ初完封し、喜ぶヤクルト先発の奥川(右)=14日、みずほPayPay
〔写真説明〕ソフトバンクにプロ初完封し、祝福されるヤクルト先発の奥川(左から3人目)=14日、みずほPayPay
2026年06月14日 18時12分