けが人抱えてW杯へ=チームは「体力」不足―サッカー日本、夢は続く(中)



けが人をワールドカップ(W杯)に連れて行くべきか、避けるべきか。メンバー発表前の選考でスタッフ間の意見は割れた。森保監督は本番には間に合うと判断し、メンバー26人に故障明けの4人を含めてチームを編成した。

その当否は紙一重だった。1年半近いブランクがあった冨安は復活を印象付ける働きを見せた。一方で、リスクや懸念は表面化した。大会前には実戦復帰した遠藤が、アイスランドとの壮行試合でけがを再発。結果的に開幕直前に出場を断念した。

主将の突然の離脱は、選手たちを大きく動揺させた。事前の状況説明があれば、周囲への精神的な打撃は避けられたかもしれない。実際、遠藤に欠場の可能性が浮上した段階で、水面下では町野の追加招集に向けて動いていた。そもそも招集しない選択肢もあっただろう。

大会に入っても、故障明けだった板倉がスウェーデン戦で再び負傷。メンバー編成でDF陣に9人を割いたしわ寄せは他のポジションに及び、遠藤が抜けたボランチは本職が3人だけ。鎌田はブラジル戦で脚に違和感を覚えながらプレーしていた。

こうした大会ではアクシデントは付き物で、初戦のオランダ戦で久保が負傷。しかし、同じポジションで招集された鈴木唯や、若手の後藤や塩貝は信頼を得られず、ブラジル戦の1―1の後半に前線に途中投入されたのは「27人目」の町野だった。流れを変えられる切り札はベンチに残っていなかった。

森保ジャパンは2チームを組める選手層を確保しようと、毎回の活動で選手を入れ替えながら戦ってきた。それでも南野、三笘を欠いた前線の穴を埋めることはできなかった。指揮官は「チームの戦いとしては影響されたところがある。事実かなと思う」。

「優勝」を目標に掲げた大会。仮に勝ち進んでいても、決勝までの計8試合を戦い抜く体力がチームに残っていたのか、疑問は残る。

【時事通信社】 〔写真説明〕合宿地で練習する遠藤(右)=6月10日、米ナッシュビル 〔写真説明〕オランダ戦の後半、負傷交代した久保(左)=6月14日、米ダラス

2026年07月03日 07時12分


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