
何度経験しても、館内を座布団が舞う光景は格別だろう。藤ノ川が結びの一番で豊昇龍を撃破した。これで今年春場所の3日目、大の里への横綱初挑戦から4連勝(不戦勝を除く)という戦後初の快挙を達成。「よかった」と満足そうに話した。
最高位に挑む心境は「特別なものがある」。闘志を燃やした21歳の新鋭は頭から当たる真っ向勝負に出た。横綱のかち上げを受けて攻め込まれる。しかし、土俵際で反応良く右から突き落とし。右足一本で残しての逆転勝ちに、「立ち合いで当たれたから動けた」と正攻法を誇った。
首に痛みを抱える時もあるが、177センチ、123キロの藤ノ川はきっぷの良さが身上。「誰でもけがを持っている。普通」と言う涼しい顔が頼もしい。大の里を破った2日目の打ち出し後は沖縄料理を楽しんだそうで、懸賞金は「使いました。きょうは焼き肉」。気取らない青年らしさも魅力的だ。
土俵下の浅香山審判部長(元大関魁皇)は「元気もあって相撲もうまい。お客さんも喜ぶ」と評した。勢いに乗る小兵が、名古屋の土俵を盛り上げている。
【時事通信社】
〔写真説明〕藤ノ川は突き落としで豊昇龍(下)を破る=14日、愛知・IGアリーナ
2026年07月14日 20時43分