妻とつかんだ金メダル=西山走、世界王者の意地―アジア大会・空手



主審の手が自身の方に挙がると、西山は表情を崩さず深々と一礼した。空手の男子形決勝。「出来は悪い方。納得できる演武ではなかったが、気持ちでカバーできた」。世界王者の意地だった。

緊張から力みが生まれていた。準決勝は審判の1人が相手選手を高く評価。決勝前に、女子形の元世界女王で2023年に現役を退いた妻の大野ひかるさんから助言をもらい、動きを修正した。5―0と圧倒し、この種目の日本勢で3大会連続となるアジア王者に輝いた。

岡山県出身で遅咲きの31歳。同大3年までは国内で目立った成績を残せず、「代表として出られる想像もできなかった」。大学の先輩でもある妻と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、競技への向き合い方を学んで成長。昨年は世界選手権で初優勝した。「妻がいなかったら今の僕は絶対にない」。強い感謝の思いを口にした。

表彰式では観客席のひかるさんと1歳の長女に向けて、笑顔でメダルを掲げた。「目の前で金メダルを取るところを見せられてよかった」。家族とともに、これからも理想の演武を追い求めていく。

【時事通信社】 〔写真説明〕空手男子個人形の決勝、演武する西山走=21日、愛知・豊橋市総合体育館 〔写真説明〕空手男子個人形で優勝し、金メダルを掲げる(右から)西山走、長女、妻のひかるさん=21日、愛知・豊橋市総合体育館

2026年09月21日 20時06分


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