23日にドイツ総選挙=保守野党が次政権主導か―ウクライナ支援は不変



【ベルリン時事】ドイツ連邦議会(下院)選挙が23日、実施される。保守野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が支持率首位を走っており、中道左派・社会民主党(SPD)主導のショルツ左派連立からの政権交代を果たす可能性が高い。単独過半数には及ばず、新政権の連立相手としても有力視されるSPDと合わせて過半数を握れるかが焦点だ。

世論調査会社イプソスによると、19~21日の調査では、移民排斥を訴える極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が21%と、支持率30%のCDU・CSUに次ぐ2番手につけている。SPDと環境政党・緑の党がそれぞれ16%と12%で追う展開だ。

メルツCDU党首は「AfDと協力することはない」と繰り返し強調。また緑の党との連立も除外していない。複数の少数政党が、議席獲得に最低限必要な得票率5%を超えれば、CDU・CSUともう1党だけでは過半数に届かず、連立協議が長引く可能性がある。

5%の当落線上で争ってきた3党のうち、東ドイツ・共産主義政党の流れをくむ左派党が支持率7%と抜け出した。一方、親ビジネスの自由民主党(FDP)と左派ポピュリスト政党BSWは共に4.5%で伸び悩んでいる。

主要政党はロシアの侵攻を受けるウクライナを引き続き支える方針で一致。ただ停戦議論の中で浮上している欧州各国軍によるウクライナ派兵案は、有権者に不安を与える内容でもあり、ショルツ首相とメルツ氏は共に「議論は時期尚早」と賛否の明言を避けている。

総選挙は2021年12月に発足したSPDと緑の党、FDPによる3党連立が、昨年11月に崩壊したことを受け、約20年ぶりの前倒し選となる。移民政策や経済再建策が主要な争点となっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕21日、ドイツ西部オーバーハウゼンで選挙集会に参加する保守野党キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首=(AFP時事) 〔写真説明〕21日、ドイツ西部ドルトムントで演説するショルツ首相(EPA時事)

2025年02月23日 07時10分


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