「買えて安心」「安定供給を」=備蓄米に早朝から列―東京など



コメ価格の高騰が続き「令和の米騒動」とも言われる中、随意契約で放出された政府備蓄米の店頭販売が31日、各地で始まった。「買えてほっとした」「今後は安定供給を」。早朝から列を作った消費者からはさまざまな声が出た。

イトーヨーカドー大森店(東京都大田区)では雨の中、朝から多くの人が詰め掛けた。1家族1点に限定し、5キロ2160円で500袋を用意したが、午前10時の開店15分前には整理券を配り終えた。

同5時半に到着し、先頭だった同区の会社員佐々木卓行さん(47)は「消費者にとっては安いほど良いが、農家のことも考えると、今後は5キロ3000円程度でいいので安定供給してほしい」と訴えた。同6時すぎから並んだ川崎市の無職男性(44)は「買うことができ、ほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

生活用品大手アイリスオーヤマ(仙台市)は当初予定から2日前倒しし、傘下のホームセンターで販売を開始。ユニディ松戸ときわ平店(千葉県松戸市)で午前5時すぎから並んだ同県佐倉市に住む70代の無職男性は「5キロ2160円なら買ってみようと思った。まずは普通に炊いて食べ、カレーやチャーハンにもしてみたい」と笑みを浮かべた。

同店では午前6時すぎに約100人が並び、65枚の整理券は早々になくなった。同7時半ごろ来店した80代の無職女性は「近くの子ども食堂に寄付しようと思って来たが」と名残惜しそうに店を後にした。

ダイシン幸町店(仙台市宮城野区)でも雨の中、95袋の販売に対し約250人が開店前から列をつくった。午前6時すぎから並んだ同区の無職安西達夫さん(79)は、5キロ当たり5000円近いコメを購入していたという。「年金の範囲でのやりくりは大変なのでありがたい。このまま例年の価格に戻ってもらえれば」と期待した。

【時事通信社】 〔写真説明〕イトーヨーカドー大森店で販売が始まった備蓄米=31日午前、東京都大田区 〔写真説明〕店頭販売が始まった備蓄米を求めて開店前に並ぶ人たち=31日午前、東京都大田区のイトーヨーカドー大森店 〔写真説明〕アイリスオーヤマ傘下のホームセンター「ダイシン幸町店」で販売された備蓄米を購入する客=31日午前、仙台市宮城野区 〔写真説明〕ダイシン幸町店で、備蓄米の整理券配布終了を知らせる掲示=31日午前、仙台市宮城野区

2025年05月31日 19時10分


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