花岡事件80年、犠牲者しのぶ=遺族ら参列し慰霊式―秋田



太平洋戦争末期、秋田県大館市の花岡鉱山に強制連行され、蜂起した中国人労働者が鎮圧された「花岡事件」から80年を迎えた30日、犠牲者を追悼する慰霊式が同市花岡町の十瀬野公園墓地で行われた。

慰霊式は大館市の主催で開かれ、遺族や中国紅十字会(赤十字)のほか、石田健佑市長、中国大使館関係者ら約200人が参列。同鉱山で亡くなった約420人の名簿を奉納した後、黙とうをささげ、慰霊碑に花を手向けた。

遺族代表の張恩龍さん(49)は「歴史の悲劇は繰り返してはならず、貴重な平和を大切にしなければいけない」などと慰霊の言葉を読み上げた。

事件で祖父を亡くした楊静さん(66)は、2008年以来3度目の参列。中国でも事件を知る人は少なくなっているといい、「歴史の真実を後世に伝える義務がある。同じような悲惨な事件を起こさないよう、日中の若者に事件があったことを伝えていきたい」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕「花岡事件」の慰霊式で、慰霊の言葉を読み上げる遺族代表の張恩龍さん=30日午前、秋田県大館市 〔写真説明〕「花岡事件」の慰霊式で、慰霊碑に献花する参列者=30日、秋田県大館市

2025年06月30日 16時10分


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