前CEOに出資トラブルか=産業用ドローンのACSL社―調査委設置「不適切取引」



東証グロース上場で産業用ドローンを手掛ける「ACSL」(東京)の鷲谷聡之前代表取締役CEO(最高経営責任者)が、茨城県境町で道の駅などを運営する「さかいまちづくり公社」から在職中に出資を受けたが、CEO辞任後も返還せずトラブルに発展していることが3日、関係者への取材で分かった。

ACSLは1日、鷲谷氏が「立場を悪用し、3月から一部業者との間で実体のない不適切な取引を行っていた」として、外部の弁護士を交えた特別調査委員会の設置を発表したが、具体的な内容は明らかにしていない。

ACSLは境町のドローン研究施設の指定管理者になるなど、同町を事業拠点の一つにしていた。関係者によると、鷲谷氏は公社側にACSLの財務状況などを理由に出資を依頼。公社側はそれに応じ、鷲谷氏が関係する別会社に送金したという。

鷲谷氏は4月30日、一身上の都合を理由に代表取締役CEOを辞任。関係者によると、公社からの出資金について返還する意向を示しているという。時事通信は6月以降、鷲谷氏と公社に取材を申し込んだが、回答を得られなかった。

ACSLは2013年設立。物流など産業用ドローンの開発や販売を手掛ける。中国企業が大半のシェアを占める中、経済安保上の観点から、国産ドローン事業の担い手として注目されている。23年10月には国の補助金(上限約26億円)の対象事業者にも採択された。

【時事通信社】 〔写真説明〕茨城県にあるドローン研究施設「境町ドローンラボ・ドローンフィールド」=6月30日午後、同町

2025年07月04日 07時09分


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