「苦渋の決断だった」=辞任会見、感極まる場面も―悔しさにじむ石破首相



昨年10月に首相の座に就いた石破茂首相(自民党総裁)が7日、官邸で会見を開き、辞任表明について「苦渋の決断だった」と語った。

午後6時、紺色のスーツ姿の石破首相が会見場に現れた。冒頭で辞任を表明し、米国との関税交渉で、「一つの区切りが付いた。今こそがタイミング」と説明するとともに、心境を明かした。

冒頭の約23分間、前半に関税交渉や賃上げ、災害対策などでの成果を強調。後半では、思うような結果を出せなかったという地方創生に「残念ながら道半ば」、拉致問題に「痛恨の極み」と述べた。「最大の心残り」は政治とカネの問題で、政治不信を払拭できなかったと振り返った。

終始、ゆっくりと落ち着いた口調だったが、感極まるような場面も。「まだやり遂げなければならないことがあった。苦渋の決断だった」と自民党内の分断を避けるための判断だったと説明した際、言葉に力を込めたのか、声が大きくなった。

質疑応答では、参院選の敗北時から責任を取ることを考えていたと明かした。米国との関税交渉中に「口が裂けても言えなかった」と理解を求めた。

少数与党だったことや党内基盤が弱かった状況に触れ、「本当に多くの方々に配慮しながら、誠心誠意努めてきた」と語った。唇をかみ「どうしたらよかったのかという思いはある」と悔しさをにじませつつ、「いろいろな制約の中で、これ以上はできなかった」と総括した。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見で、質問を受ける石破茂首相(奥)=7日午後、首相官邸

2025年09月07日 22時09分


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