野党、早期衆院解散を警戒=総裁選注視、共闘は難航必至



野党内で自民党総裁選の終了後、早期の衆院解散・総選挙への警戒感が広がっている。自民が新たな「顔」選びを通じて支持を回復し、解散に踏み切る展開が念頭にある。7月の参院選で、立憲民主党や日本維新の会が伸び悩む一方、国民民主、参政両党は躍進。多党化による足並みの乱れは顕著で、今後の「野党共闘」は難航必至だ。

「新しい人が選ばれたときに解散の可能性もなくはない。立ち遅れがないようにしなければいけない」。立民の野田佳彦代表は12日の記者会見で、自民の新総裁が首相に就任した場合、早期解散を決断する可能性に言及。総合選挙対策本部の設置準備を党内に指示したと明らかにした。

総裁選は、現時点で5人が争う構図となっている。新総裁の下で、自民は少数与党の脱却を目指し、野党の一部に連立政権入りも含め、協力を求める見通し。交渉相手として維新や国民民主などが取り沙汰されるが、いずれも「相当ハードルは高い」(維新幹部)と慎重姿勢を崩していない。

その一方で、首相指名選挙などをにらんだ野党結集の機運も乏しい。

こうした状況を踏まえ、立民幹部は「自民からすれば解散して過半数を狙う方が手っ取り早い」と指摘。ただ、立民は新執行部を発足させたばかりで、次期衆院選の準備も遅れ気味だ。党内は「何としても解散は避けないといけない」(ベテラン)との空気が強い。

所属議員の不祥事や離党騒動に揺れる維新も、解散には「まだ前回から1年しかたっていない」(中堅)などと否定的だ。

これに対し、国民民主は次期衆院選で現有からほぼ倍増の51議席を獲得目標に掲げるなど、党勢拡大を最優先する構え。野党間の候補者調整に関しても、榛葉賀津也幹事長は12日の会見で「旧態依然の古い野党の考えだ」と断じた。

参政も既に1次公認候補として現職3人を含む39人を発表。最終的に100人以上の擁立を目指す方針で、党幹部は「いま選挙になれば確実に議席が増える」と自信を示す。

「野党連携が全然進まない」。立民ベテランは、野党各党の思惑がすれ違う現状を嘆いた。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する立憲民主党の野田佳彦代表=12日、国会内

2025年09月14日 07時03分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース