「ホームタウン」改称を検討=騒動収まらず、4市と協議へ―政府



アフリカと日本の都市の人的交流を図る国際協力機構(JICA)の「ホームタウン」事業について、JICAと外務省が名称の変更を検討していることが13日、分かった。「移民が増える」との誤情報がSNS上で拡散し、事業発表から3週間が経過しても騒動は収まっていない。関係する4市と協議し、事態の収拾を急ぐ方針だ。

JICAは8月21日、アフリカ開発会議(TICAD)に合わせ、山形県長井市をタンザニア、新潟県三条市をガーナ、千葉県木更津市をナイジェリア、愛媛県今治市をモザンビークの「ホームタウン」に認定したと発表。これに対しナイジェリア政府は「日本政府が特別なビザ(査証)を発給する」との誤情報を発信し、SNS上で「移民の受け入れを促進する」などの投稿が広がった。

日本政府はナイジェリアに修正を申し入れ、誤った記載は削除された。その後もSNSや記者会見で「火消し」を図ったものの、4市やJICAには抗議の電話が相次いだ。

JICAによると、自治体からは「『ホームタウン』という名前が事実誤認につながっている」と名称変更を求める意見が寄せられている。JICAと外務省は4市と協議し、近く改称の是非を判断する考えだ。ただ同省内には「名称を変更しただけで収まるのか」(幹部)との声もある。

外務省の担当者は「日本とアフリカ双方のプラスになるような交流を促したいという思いだった」と話す一方、「説明が十分ではなかったかもしれない」と認めた。JICA幹部は「具体的に何をするのかが市民に伝わっておらず、不安が募っている。イベント情報などを積極的に広報していきたい」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕モザンビークのチャポ大統領(右)と握手する石破茂首相=8月22日、横浜市西区

2025年09月14日 07時05分


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