【シリコンバレー時事】米連邦取引委員会(FTC)は25日、有料会員サービスの入退会手続きを巡り、米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムを訴えていた訴訟で、同社が25億ドル(約3700億円)を支払う条件で和解に合意したと発表した。手続きの明確化なども求めた。
FTCは2023年6月にアマゾンを提訴した。アマゾンが同社の通販サイトで、利用者が有料会員サービス「アマゾンプライム」に登録しなくても商品を購入できる方法を、意図的に分かりにくくして会員登録へ誘導したほか、解約手続きも複雑にしていたと主張。今月23日から西部ワシントン州の連邦地裁で本格的な審理が始まったばかりだった。
FTCによると、アマゾンは10億ドルの制裁金を支払い、15億ドルを利用者に返金する。FTCは返金対象となる利用者が3500万人に上ると推定している。
和解ではまた、アマゾンはサイトなどで、利用者がプライムへの登録案内を拒否できる分かりやすいボタンを設置するほか、登録手続き中に料金や課金頻度、解約手続きなどの条件を明示する。登録した場合も簡単に解約できる手段を設ける。
アマゾンは25日、取材に対し、FTCが示した入退会に関する措置はすでに実施済みだが、同社や役員は不正行為を認めていないと回答した。「当社は今回の和解で前進でき、顧客のための革新に注力できる」とコメントした。
【時事通信社】
2025年09月26日 07時38分
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