百田・河村氏、対立泥沼化=保守党、事実上の分裂



日本保守党で百田尚樹代表(69)と共同代表を務めた河村たかし衆院議員(76)が激しく対立する「お家騒動」が起きた。党運営を巡る溝が抜き差しならないレベルに達し、河村氏が今月上旬、百田氏に対する告訴状を東京地検に提出するなど泥沼化。河村氏は離党届を出し、国政政党になって約1年で党は事実上分裂した。

「今の政治を変えていこうと仲間としてやってきたが、大変残念だ」。有本香事務総長は7日の記者会見で、河村氏が百田氏からペットボトルを投げ付けられたなどとして告訴状を提出したことを批判。百田氏も「(河村氏の)パフォーマンス」と断じた。

日本保守党は百田氏を代表に2023年秋に結党。愛知県の地域政党「減税日本」を率いる河村氏が共同代表に就き、双方の連携も図ってきた。

24年10月の衆院選で愛知1区の河村氏ら3人が当選し、国政政党の要件も確保。今夏の参院選では比例代表の百田氏ら2人が当選し、着実に党勢を拡大してきた。

しかし、保守層重視の百田氏と、広く有権者に働き掛けるべきだと主張する河村氏の間にすきま風が吹き、関係者によると、候補者選定や資金配分を巡るいさかいもあった。河村氏は「党勢拡大の手法の違いは埋め難いものがあった」と明かす。

百田、有本両氏は9月中旬、名古屋市で河村氏と面会。共同代表の解任や減税日本との「特別友党関係」解消などを通告した。

河村氏は今月8日に離党届を提出。先に離党届を出した竹上裕子衆院議員(比例東海ブロック)と衆院会派を結成した。会見では「たくさん友達がいる。『一緒にやろう』というふうに持っていく」と新党結成も視野に入れる考えを示した。

党は河村、竹上両氏の離党届の扱いをまだ決めていないが、関係者からは「百田氏の路線に純化した方が党にとっていい」との意見も出ている。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本保守党の百田尚樹代表(写真右)と河村たかし氏

2025年10月14日 14時31分


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