新聞読み、読書して過ごす=裁判の打ち合わせ真剣に―安倍氏銃撃、拘置所の山上被告



2022年7月に現行犯逮捕され、3年以上身柄が拘束されている無職山上徹也被告(45)。弁護団によると、拘置所では新聞を読んだり、読書したりして過ごしている。環境に慣れたのか落ち着いた様子で、接見には淡々と応じ、初公判期日が決まった際も、特段変わった様子は見せなかったという。

週1回程度のペースで接見している弁護団によると、山上被告は一部親族と面会している。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者の母親とは手紙を交わした時期もあった。事件について「考えない日はない」と話し、裁判に関する打ち合わせには真剣に取り組んでいる。

事件を機に、親から信仰を押し付けられる「宗教2世」や、教団の高額献金などが注目された。新聞を通じ、こうした状況をよく理解しているという山上被告は「現在のような状況を引き起こすとは思っていなかった」などと吐露。「2世の人たちにとって良かったのか悪かったのか分からない」と悩んでいる様子も見せた。

被告の元には、支援者らから読み切れないほどの本や食品、体調を心配する手紙などが届き、「直接お礼できず申し訳ない」と語ったという。

初公判前に裁判所、検察、弁護団で争点を整理する公判前整理手続きは23年10月以降、9回行われた。第1回は期日に奈良地裁に不審物が届く騒ぎがあり、延期に。被告は再設定された第1回を欠席したが、「自分の手続きなので一度出てみないと分からない」と2回目以降、複数回出席した。

弁護団は出欠を山上被告本人に判断させているが、被告は、自分が出席することで裁判所の警備体制が強化されることなどを懸念している様子を見せたこともあった。ただ、出席した際は熱心にメモを取り、検察と弁護団の議論が白熱すると、興味深そうに聞き入り、資料や議論について弁護人に小声で質問する場面もあったという。

【時事通信社】 〔写真説明〕山上徹也被告

2025年10月26日 06時47分


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