昨年元日の能登半島地震などで大きな被害が出た石川県輪島市。仲の良い同級生2人を亡くした男性会社員(62)は、高市氏に対し「被災地に来て、一人ひとりの声を聞いてほしい」と強調。仮設住宅での生活が続くが、「仮設住宅を出たら路頭に迷えというのか」と話し、恒久的な住宅支援を訴えた。
家族で食堂を経営する万正三雄さん(66)は「町の人口が減ったため、客の数も減った。地方の人口が増えるような政策を」と話す。大規模半壊した自宅は再建できたが、資材高騰が続きリフォーム代の負担も大きい。「一部でも補助してほしい」と求めた。
地震で家が半壊し、昨年9月の豪雨では商品の漆器が泥水に漬かった元漆器職人の男性(87)は「国は能登のことなんて考えていない。石破茂さんが訴えていた『防災庁』はあった方がいい」と話した。
東京電力福島第1原発の事故から14年半を迎えた今も、事故に伴う帰還困難区域を抱える福島県。原発に近い同県富岡町の農家渡辺信一さん(67)は高市氏について「初の女性首相、頑張ってほしい」とエールを送る。一方で、「石破さんに比べ視察が少なく、福島の現状を理解できていないのでは」と不安も口にした。
原発が立地する同県双葉町で営業していた接骨院を避難先のいわき市で続ける矢口守夫さん(71)は、高市氏が2013年の自民党政調会長時代に「事故で死者は出ていない」という趣旨の発言をしたことを問題視。「現在に至るまで復興に取り組む意識が見えない。私のように、町に帰りたいのに帰ることができないという住民の現状を理解し、助けてくれるような政策を」と訴えた。
【時事通信社】
2025年10月21日 19時37分
society