本人に代わって退職手続きを行うサービスを巡り、紹介料をもらって弁護士に利用者をあっせんした疑いが強まったとして、警視庁保安課は22日、弁護士法違反(非弁行為など)容疑で「退職代行モームリ」を運営する「アルバトロス」(東京都品川区)本社などを家宅捜索した。捜査関係者への取材で分かった。
同課は同社代表らが組織的に非弁行為を行っていたとみており、押収した資料の分析とともに、関係者数十人から任意で事情聴取するなどして刑事責任を問えるか詳しく調べる。
ホームページなどによると、アルバトロスは2022年2月の設立で、同年3月からモームリのサービスを開始した。24時間いつでも対応可能で、累計4万件以上の実績とノウハウがあると強調。メディアへの露出で知名度も高く、25年度新卒の4~6月の利用者は約1000人で、前年同期より約200人増加したとしている。
捜査関係者によると、同社は昨年、弁護士資格がないのに、利用者の退職に関する法律業務を弁護士にあっせんし、紹介料を得た疑いが持たれている。
弁護士法は、弁護士資格を持たない人物が有償で法律業務を紹介することを禁じている。
あっせんを受けた弁護士も同法に抵触し、同課は22日、都内の弁護士事務所を同法違反(非弁提携)容疑で捜索した。
【時事通信社】
〔写真説明〕退職代行運営会社が入るビルの家宅捜索に向かう警視庁の捜査員ら=22日午前、東京都品川区
〔写真説明〕警視庁の家宅捜索を受けたアルバトロスが運営する「退職代行モームリ」のウェブサイトの一部
2025年10月22日 12時44分