米、対中合成麻薬関税10%下げ=10日発効、トランプ氏が大統領令



【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日、合成麻薬「フェンタニル」の米国流入を理由に中国に課している関税を10%引き下げる大統領令に署名した。10日発効し、税率は20%から10%となる。10月末に韓国で行った米中首脳会談の結果、中国が流入対策に協力する姿勢に転じたとして、トランプ氏は引き下げを表明していた。

米政権は、フェンタニル流入で中国が対応を講じていないため、米国の国家安全保障が脅かされているとして、2月に中国に対する10%の関税を発動。3月には10%を上乗せしていた。

大統領令によると、中国は特定の原料について北米向け輸出を停止するほか、他の原料も輸出を厳格に管理。「米国へのフェンタニルの流入を終わらせる上で重要な手段を講じると約束した」ため、関税を引き下げるとした。

大統領令は、中国側の実施状況を引き続き監視し、履行されていない場合、必要に応じて命令を修正できると規定。中国側の対応次第では、関税を再発動させる余地を残した。

また、停止中の中国に対する24%分の相互関税適用を来年11月10日まで延期する大統領令にも署名した。相互関税は引き続き10%を課す。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領=10月22日、ワシントン(EPA時事)

2025年11月05日 10時40分


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