自衛隊、5日に秋田派遣=クマ対策で後方支援―防衛省



防衛省は4日、クマ被害が深刻な秋田県に5日から陸上自衛隊の部隊を派遣すると発表した。同日、県との間で活動内容や役割分担を定めた協定を締結する見通し。武器を用いた駆除は行わず、捕獲用の箱わなの運搬など後方支援に当たる方針だ。

クマ対策に当たるのは陸自秋田駐屯地(秋田市)の第21普通科連隊で、5日は鹿角市で活動する。6日以降も県が求めた地域で活動予定で、派遣期間や人数は県との協議を踏まえて決める。

小泉進次郎防衛相は4日の記者会見で、自衛隊法100条の「土木工事等の受託」に基づく輸送事業として実施すると説明。訓練目的に適合すれば自治体の事業を請け負えるとする規定で、2010~14年度にエゾシカの被害対策として北海道に部隊を派遣した際にも適用した。

小泉氏は「自衛隊の本来の任務は国防で、クマ対策を無制限に実施することはできない」とした上で、「国民の命と暮らしを守り抜くことを任務とする観点から、今般の事態の特異性も鑑み輸送支援を実施することとした」と述べた。

今年度の秋田県でのクマによる人身被害は、4日午後1時現在で死者3人を含む59人に上る。鈴木健太知事は先月28日に小泉氏を訪ね、自衛隊による支援を要望していた。

同省によると、クマ対策に関する秋田県以外からの部隊派遣の要請はないという。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する小泉進次郎防衛相=4日午前、国会内

2025年11月04日 19時04分


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