
高市早苗首相の所信表明演説に対する各党代表質問が4日、衆院本会議で始まった。自民党と日本維新の会が連立政権合意で掲げた衆院議員定数の削減について、首相は「できるだけ幅広い賛同を得ることが重要だ。各党各会派とも真摯(しんし)な議論を重ねていきたい」と表明した。給付付き税額控除について「早期に検討を進め、実現を目指す」と述べた。立憲民主党の野田佳彦代表への答弁。
高市政権の発足後、初の国会論戦。野田氏は自民の派閥裏金事件を踏まえ、企業・団体献金の受け皿を政党本部などに限定するよう迫った。首相は「自民と維新で政党の資金調達の在り方について議論する協議体を今国会中に設置する」などと述べるにとどめた。
野田氏は裏金事件に関係した自民議員7人を副大臣・政務官に起用したことを問題視した。首相は「それぞれの議員が丁寧に説明責任を尽くしてきた」と説明。裏金事件について「自民総裁として心よりおわびする」と語った。
野田氏は食料品の消費税率ゼロ実現への協力を呼び掛けたが、首相は慎重な考えを示した。事業者のシステム改修に時間がかかることなどを理由に「物価高対策としてすぐに対応できることを優先すべきだ」と述べた。
維新の藤田文武共同代表は与党入り後、初めて質問に立ち、維新の看板政策「副首都構想」の実現に向けた首相の基本姿勢をただした。首相は「早急に与党による協議体を設置する」と強調。「日本国国章損壊罪」制定への決意を問われたのに対し「実現に向けて政府として必要な取り組みを進める」と語った。
首相は憲法改正について「少しでも早く賛否を問う国民投票が行われる環境をつくれるよう粘り強く全力で取り組む」と述べ、重ねて意欲を示した。自民の小林鷹之政調会長への答弁。
首相が掲げる「責任ある積極財政」を巡り、立民の城井崇政調会長代行は財源を追及した。首相は「『経済あっての財政』の基本的な考え方の下、今後具体化していく」と明言を避けた。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院本会議で立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答える高市早苗首相=4日午後、国会内
〔写真説明〕衆院本会議で立憲民主党の野田佳彦代表(手前)の代表質問を聞く高市早苗首相=4日午後、国会内
2025年11月04日 18時11分