販売不振、再建険しく=半導体供給懸念も浮上―日産



日産自動車が6日発表した2025年9月中間決算では、上半期の世界販売台数が前年同期比7.3%減の148万台にとどまり、販売不振の継続があらわになった。特に中国と日本は2桁減、米国も前年同期を下回った。27年度までに新型9車種を投入し反転攻勢を図るが、足元で半導体などの供給懸念も浮上。再建への道は険しい。

「経営の安定化の兆しが出ている。6月以降、中国は好調に推移している」。イバン・エスピノーサ社長は決算説明会でこう述べ、4月から中国で販売している電気自動車(EV)「N7」の堅調ぶりをアピールした。

さらに、日本国内向けには軽自動車「ルークス」とEV「リーフ」の新型モデルに加え、来年度は高級ミニバン「エルグランド」の新モデルも投入。リストラ策の一環で、本社売却や使用部品の種類削減に踏み切ったことにより800億円のコストカットも実現したとして、「下期に向けて勢いが出ている」と自信を見せた。

ただ、米国ではEVの勢いが失速し、ハイブリッド車(HV)人気が高まっている。日産はEVの生産態勢を調整し、展開車種の再検討に入るとみられるが、「主力となるHVが見当たらない」(アナリスト)のが実情だ。

新型リーフへの期待は大きいが、日本のEV市場も伸び悩んでいる。

さらに、米中対立の余波でオランダの中国系半導体メーカー「ネクスペリア」からの製品供給が停滞し、サプライチェーン(供給網)を脅かし始めている。エスピノーサ氏は、「(コロナ禍での)半導体不足で対応を学んでいる。調達先の見直しなどの対策をとっている」と語ったが、懸念材料は少なくない。

【時事通信社】 〔写真説明〕日産自動車のロゴマーク

2025年11月07日 08時06分


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