日韓共同訓練見送り=防衛交流停滞に懸念



海上自衛隊と韓国海軍が調整していた捜索・救難共同訓練について、韓国側が月内実施を見送る考えを日本側に伝えたことが分かった。複数の日本政府・与党関係者が18日明かした。自衛隊による韓国空軍機への給油支援を、日本側が中止したことに対する報復との見方がある。改善基調にある防衛交流の停滞を懸念する声が出ている。

日韓の共同訓練は、2018年に発生した韓国海軍による海自哨戒機への火器管制レーダー照射問題を受けて全面的にストップ。岸田文雄首相と尹錫悦大統領(いずれも当時)が関係改善を進めたことを踏まえ、昨年11月に約7年ぶりとなる共同訓練が行われた。

雰囲気が変わったのは今月上旬ごろだ。中東の航空ショーに向かう韓国空軍機に対し、航空自衛隊那覇基地(那覇市)で燃料を補給する計画だったが、韓国が実効支配する島根県・竹島周辺を対象機が飛行していたことが判明。日本側が中止を決めた。韓国側は13~15日に東京都内で行われた「自衛隊音楽まつり」への軍楽隊参加も見送った。

防衛省関係者は「報復だろう」との見方を示し、ある自民党国防族は「険悪なムードだ」と先行きを懸念。一方、自衛隊内には「これまでの積み上げが突然崩れるものではない。訓練は機会を捉えてやるのだろう」と楽観的な声も出ている。

【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じる小泉進次郎防衛相=18日午前、国会内

2025年11月18日 18時06分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース