【ベレン時事】ブラジルで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、予定していた21日までに交渉をまとめられず、会期を延長した。議長国ブラジルは22日、新たな成果文書案を提示。焦点となっている「脱化石燃料」について明記しなかった一方、温室効果ガスの排出削減対策を進めるため、議長の下に新たな「イニシアチブ」を発足させるとした。合意を目指し、大詰めの交渉が続いている。
18日に公表された成果文書の議長草案では、産業革命前から世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるため、選択肢の一つに「化石燃料からの脱却」の明記が盛り込まれた。しかし、21日に出された修正案では、産油国などが反対する脱化石燃料に関する文言は削除され、22日の案でも触れられなかった。ブラジルのルラ大統領が呼び掛けた脱化石燃料への工程表策定についても盛り込まれなかった。
これに対し、化石燃料からの脱却を訴える欧州連合(EU)や、気候変動の影響に直面する島しょ国などが反発し、調整は難航している。
【時事通信社】
2025年11月23日 00時24分
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