高市政権、新潟知事判断を歓迎=再稼働容認「電力供給に重要」―柏崎原発



高市政権は、新潟県の花角英世知事が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働容認を表明したことを歓迎した。木原稔官房長官は21日の記者会見で「電力供給や料金抑制、脱炭素電源確保の観点から極めて重要だ」と評価。政府は安全審査を終えた他の原発についても再稼働に向けた取り組みを進める方針だ。

人工知能(AI)普及に伴うデータセンター増加などで電力需要の大幅増が見込まれ、電力の安定供給は政権にとって最重要課題の一つ。再稼働で電気料金を低く抑えることができれば、物価高対策の後押しとなる。

花角氏の判断について、政権幹部は「非常に大きい。高市政権が目指すエネルギー政策にとっても大きな前進だ」と喜んだ。自民党と日本維新の会は連立政権の合意書に「安全性確保を大前提に原発の再稼働を進める」と明記。首相は所信表明演説で「エネルギーの安定的で安価な供給が不可欠だ」と強調していた。

岸田政権が「GX(グリーントランスフォーメーション)」を打ち出し、原発回帰にかじを切った。石破政権もこの方針を引き継ぎ、今年2月に策定したエネルギー基本計画に既設原発の「最大限活用」を盛り込んだ。柏崎刈羽原発の再稼働は自民政権の「悲願」だった。

野党の賛否は分かれた。立憲民主党の野田佳彦代表は21日の会見で「しっかりした避難計画があるとは言えない。地元への説明も十分ではない」と述べた。立民の新潟県連は再稼働に反対している。

共産党の山添拓政策委員長も会見で「言語道断だ。事故を起こした東電が再稼働するのは容認できるものではない」と批判した。

一方、国民民主党の玉木雄一郎代表はX(旧ツイッター)で、花角氏の判断に「敬意」を示し、「東日本における安価で安定的な電力供給に寄与することを期待する」と表明した。同党は連合傘下の電力総連から支援を受ける。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=21日、東京・永田町

2025年11月22日 07時10分


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