日韓首脳、緊密関係アピール=対米中念頭、重なる計算



高市早苗首相と韓国の李在明大統領は13日、首相の地元・奈良市で会談や夕食会に臨み、「良好な日韓関係」をアピールした。対面の接触は昨年10月の首相の就任以来3回目。ハイペースで対話を重ねる背景には、米国が内向き姿勢を強め、中国が覇権主義的な動きを加速させる中、日韓両国の緊密な連携が得策との双方の計算がある。

「両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきだ」。高市氏は会談でこう強調。李氏は「両国の協力が何より重要だ」と応じた。

日本の首相が外国の首脳を地方都市に迎えるのは珍しい。会場となったホテルの向かいにある奈良市役所には「歓迎」と韓国語で大書した横断幕がはためいた。同市は両首脳が昨年10月に初会談した韓国・慶州の姉妹都市。1500年の交流の歴史があり、友好の演出にうってつけの場所だ。

高市氏は会談後の共同記者発表で、李氏との「友情と信頼関係」を強調。この後、韓国の人気音楽グループ「BTS」の曲に合わせて得意のドラムを李氏と共に演奏し、昨年の会談時に「ドラムをたたくのが夢」と話していた李氏を楽しませる気遣いも見せた。首相周辺は「信頼関係のレベルが上がった」と胸を張った。

日韓両国が接近する背景には、南北米大陸を中心とする「西半球」を重視するトランプ米大統領が、アジアなど「東半球」への関与を低下させかねないとの懸念がある。将来的な米国の存在感低下を見越すかのように、中国は日本への経済的威圧を強め、台湾に軍事的な圧力をかける。

両首脳は日米韓3カ国の戦略的連携が重要との認識で一致。日本外務省幹部は「日米韓の枠組みは米国をつなぎ留めるツールだ」と語った。

韓国側も認識は同様だ。李氏は訪日に先立つ5日、中国の習近平国家主席と北京で会談した。習氏が歴史問題での「共闘」を李氏に呼び掛ける場面もあったが、李氏は「日本との関係も重要だ」として取り合わなかったという。

日韓の間には歴史問題や島根県・竹島(韓国名・独島)を巡る問題がなお横たわるが、李氏は会談で「マイナスを最小限にとどめていくことが大事だ」と述べ、これらの火種が再燃しないよう管理していく重要性を強調した。両首脳は海底炭鉱「長生炭鉱」(山口県宇部市)跡で昨年見つかった朝鮮半島出身者らのものとされる人骨のDNA型鑑定について協力していくことを確認した。

【時事通信社】 〔写真説明〕日韓首脳会談を前に、握手する高市早苗首相(右)と李在明大統領=13日午後、奈良市 〔写真説明〕ドラムをたたく韓国の李在明大統領(左)と高市早苗首相=13日午後、奈良市(内閣広報室提供)

2026年01月14日 07時42分


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