冒頭解散、準備追われる野党=自民、首相手法に疑問も



高市早苗首相が通常国会冒頭の衆院解散を検討する中、野党が衆院選の準備に追われている。立憲民主党は、公明党との選挙協力に活路を見いだしたい考え。国民民主党も、独自候補の擁立に懸命だ。一方、自民党からは身内だけで解散戦略を練る首相の政治手法を疑問視する声も漏れる。

「大義のない解散だ」。立民の野田佳彦代表は13日、川崎市内で街頭演説し、高市政権との対決姿勢を鮮明にした。野田氏が狙うのは、タカ派色の強い首相と距離を置く公明だ。1選挙区当たり1万~2万票とされる「公明票」を得られれば、自民に勝利する可能性が高まるとの期待がある。

野田氏は12日、公明の斉藤鉄夫代表と会談し、「より高いレベル」の連携を確認。これを踏まえ、13日の党常任幹事会で「公明と協力したい」と明言した。立民の安住淳幹事長と公明の西田実仁幹事長が近く協議する見通しだ。

安住氏は13日付の文書で、各都道府県連に対し、公明の都道府県本部代表、国会議員、支持母体・創価学会責任者への「面談を申し入れ、衆院選の支援・協力を要請してください」と通知。立民中堅は「さっそく公明側と日程調整したい」と意気込んだ。

もっとも、公明には長らく連立関係にあった自民との対立が決定的になることへのためらいも透ける。斉藤氏は13日、横浜市内で記者団に「中道改革の軸になる選挙戦を行いたい」と強調したが、具体的な連携については言及を避けた。

一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「経済後回し解散」と批判。候補擁立を進める方針だが、党内に冒頭解散を予想する向きは少なく、準備不足は否めない。51議席の獲得目標について、党関係者は「厳しい」と認めた。

冒頭解散を巡っては、自民内にも「首相が党側に相談なく決断しようとしている」(重鎮)との不満がくすぶる。相次ぐ「解散報道」にも首相は沈黙。側近の木原稔官房長官は13日の会見で「首相の専権事項だ」と繰り返した。

正式な意向表明のないまま、与党も選挙準備を急ぐ。鈴木俊一幹事長は、木原氏や古屋圭司選対委員長と党本部で会談。日本維新の会の吉村洋文代表は記者団に「解散になると思う」と言明した。

「ここで解散を断念したら、首相の求心力が低下する」。自民中堅は、真冬の政治決戦に向けた動きは止まらないとの見方を示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕立憲民主党の常任役員会であいさつする野田佳彦代表=13日午後、国会内 〔写真説明〕記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=13日午前、国会内 〔写真説明〕取材に応じる公明党の斉藤鉄夫代表=13日午後、横浜市中区 〔写真説明〕記者会見する木原稔官房長官=13日午後、首相官邸

2026年01月14日 07時05分


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