
衆院選の自民党圧勝で「高市1強」の政治状況となり、国会の風景が様変わりしつつある。少数与党下で自民は野党に押され気味だったが、主導権を握るため、予算委員長など重要ポストの奪還に動く。2026年度予算案の早期成立を最優先し、審議時間の短縮も検討。野党からは早速、「国会軽視だ」と批判が出ている。
自民党の鈴木俊一、日本維新の会の中司宏両幹事長らは16日、東京都内で会談し、26年度予算案について「年度内成立を諦めず、目指していく」との方針を確認した。
予算審議は、衆参両院合わせて2カ月程度が通例。今回は、1月の衆院解散で審議入りが遅れ、年度内成立は困難との見方が強い。しかし、高市早苗首相は13日に自民幹部と会談した際、「年度内成立を諦めていない」と伝えた。
首相が強気で臨む背景には、議席増で衆院の常任・特別委員長と審査会長のポストを、与党が多く占めることがある。24年衆院選の敗北で野党に譲った予算委員長、憲法審査会長などを確保する方針だ。
与党は当初、全ポストの「独占」を求めたが、野党第1党の中道改革連合の反発を受け、懲罰委員長と消費者問題特別委員長を譲る案を提示。ただ、中道は「安倍政権下でも野党に4ポストは配分していた」と主張し、折り合いはついていない。
26年度予算案の早期成立に向け、焦点となるのが衆院予算委員会での審議時間だ。第2次安倍政権以降は80時間近くに積み上がることが多く、昨年の少数与党下では92時間に及んだ。
これに対し、政権幹部は07年度予算審議が66時間30分だった例に触れ、大幅短縮は可能だと主張。首相に近い党幹部も「野党は質問時間の大半を予算案に関係のない政権批判に使っている」と歩調を合わせる。
野党側には温度差がある。中道ベテランは「過去最大規模の予算案に見合う審議時間は必要だ」とけん制。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は15日のフジテレビ番組で「国民生活最優先で判断していきたい」と述べ、政権側の対応に一定の理解を示した。
首相は、民主党政権時代の10年に記したコラムで「与野党の圧倒的な議席数の差から、国会運営も強硬な民主党のペースで進み、多くの課題を残したまま予算審議が終了した」と主張した。「数の力」を背景に突き進めば、過去の発言との整合性を問われる可能性もある。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=16日午前、東京・永田町
2026年02月17日 07時08分