中東発インフレ、本格化の懸念=「川上」物価の上昇が加速



日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は134.5と、前年同月比6.3%上昇した。中東情勢悪化に伴う原油価格の高騰などが響き、上昇幅は前月から1ポイント拡大。物価の「川上」に当たる同指数の上昇は、幅広い消費財の今後の本格的な値上がりにつながるとみられ、インフレが加速する懸念が一段と強まっている。

企業物価は、企業間で取引されるモノの価格を示す。5月は値上がりから値下がりを差し引いた品目数が336と、前月の298から増加。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、原油やナフサなどの価格上昇が幅広い製品に影響していることが鮮明となった。

品目別にみると、化学製品が13.4%と大幅に上昇。4月はエチレンやプロピレンなど、ナフサ由来の基礎化学品が目立ったが、5月はポリエチレンやポリプロピレンといった「川中」の製品にも波及した。ポリエチレンはレジ袋、ポリプロピレンは食品容器などに使われる。包装資材のフィルムなどプラスチック製品も4.3%上昇した。容器や包装資材の値上がりは、食品などに転嫁される可能性が高い。

一方で、4月の全国消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が1.4%上昇と、緩やかな伸びにとどまっている。ただ、ガソリン補助金や私立高校の授業料無償化といった政策の効果が大きく、日銀は特殊要因を除けば2.8%の上昇だったと試算している。

今後は、石油関連製品の価格高騰や円安による輸入物価の押し上げに伴い、消費者物価の上昇幅も拡大する公算が大きい。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「消費者物価の上昇率は26年秋にピークとなる」と予想している。

【時事通信社】 〔写真説明〕米空母ジョージ・H・W・ブッシュ艦上で、電子戦機EA18Gグラウラーの発艦を合図する兵士=4月26日、米海軍提供(AFP時事)

2026年06月11日 09時30分


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