
全国の地方自治体で、住民らに対応する窓口の時間を短縮する動きが広がっている。従来は職員の勤務時間に合わせるケースが多かったが、短縮により準備や片付けで生じる時間外勤務を減らして負担を軽減したり、政策の検討に充てる余裕を確保したりする。コンビニ交付サービスの普及など窓口業務のデジタル化が進み、効率化に取り組みやすくなっていることが背景にある。
愛知県東浦町は、来庁者の9割が午前8時半~午後4時の時間帯に集中しているとの調査結果に基づき、2025年2月に午前8時45分~午後4時とする試行を開始。朝の打ち合わせ時間をより長く確保するため、今年4月から午前9時~午後4時とした。愛知県内では、来年1月までに導入・試行予定を含めて約8割の市町村が窓口時間の短縮に踏み切っている。短縮幅は1時間45分とした自治体が目立つ。
全国でもこうした動きは広がっており、新潟県柏崎市や岡山県真庭市、鹿児島県日置市などが1時間45分短縮。今年11月11日から実施予定の東京都立川市は、確保した時間を業務改善や課題の検討に充てるという。
時間短縮の背景には、窓口業務のデジタル化の環境が整ってきた点がある。マイナンバーカードを使った住民票などのコンビニ交付が普及し、住民が窓口に直接足を運ばなくても済むケースが増えた。時間短縮と並行し、コンビニ交付の手数料減額に取り組んでいる自治体も多く、12月から1時間15分短縮する山口県岩国市は試行期間の1年間、一律10円とする。
1時間45分短縮した自治体のうち、愛知県江南市では、25年10月~今年3月の6カ月で、職員全体で前年比2101時間、7.7%の残業時間減少につながった。沢田和延市長は「相当な効果があった」と評価。同県幸田町の人事秘書課の担当者は「窓口対応の職員から『夕方のバタバタした残業が減って肌感としてもストレスが減った』という反響があった」などと心理的な負担軽減を強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕役場玄関で午後4時の窓口対応時間終了を知らせる案内文=8月24日、愛知県幸田町役場
〔写真説明〕午後4時にロールカーテンで仕切られる窓口=8月21日、愛知県大口町役場
2026年09月24日 07時05分