「力による平和」固執=イスラエル、一段と強硬に



【カイロ時事】イスラエルは2023年10月にイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃を受けて以降、敵対勢力への武力行使をいとわない「力による平和」への傾斜を一段と強めている。奇襲後、初めて行われる今月27日の総選挙でも中東和平は争点になっておらず、今後も路線に変化はなさそうだ。

奇襲を受け、イスラエルはパレスチナ自治区ガザで大規模な軍事作戦を開始。多くの民間人が巻き込まれ、国連の独立調査委員会は昨年9月発表の報告書で「ジェノサイド(集団殺害)」だと結論付けた。イスラエルはガザで昨年10月に停戦が発効した後も攻撃を続けている。ガザではこれまでに7万4000人以上が命を落とした。

ガザでの作戦について、イスラエルは「国境沿いにテロの脅威が根付くのを許容しない」(ザミール軍参謀総長)と正当化。ノルウェーのノーベル賞委員会が9日、独立調査委を率いたピレイ元国連人権高等弁務官に今年のノーベル平和賞を授与すると発表したところ、即座に「(ジェノサイド認定という)21世紀最大のうそに賞を与えた」(外務省)と猛反発した。

イスラエルは、今年2月に米国と共に実施した対イラン軍事作戦で同国の最高指導者アリ・ハメネイ師(当時)を殺害。中東各地でのイスラエルが絡む戦闘や緊張は、今年に入って激化した。イラン攻撃は世界的なエネルギーの供給不安を招いたが、イスラエルのネタニヤフ首相は「数百万人のイスラエル市民が全滅し、国家が破壊されるという明白で差し迫った危険を取り除いた」と、一方的に戦果を誇示している。

総選挙では、ネタニヤフ氏を支持する右派の与党勢力と、アイゼンコット元軍参謀総長を中心とする中道の反ネタニヤフ野党勢力が対決する。ただ、アイゼンコット氏は対ガザ作戦で一時ネタニヤフ氏に協力していた経緯もあり、パレスチナやイランに対する路線で両者に大きな相違はないとみられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕イスラエルのネタニヤフ首相=5日、エルサレム(EPA時事)

2026年10月11日 07時12分


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