北朝鮮、制裁無力化を期待か=新橋開通、中国一極依存警戒も



【ソウル時事】北朝鮮メディアは16日、中国との間を結ぶ新たな橋「新鴨緑江大橋」の開通を伝えた。北朝鮮の朴泰成首相は15日の開通式にビデオメッセージを寄せ、経済協力を強化する考えを表明。北朝鮮は開通を契機に制裁を無力化させたい意向とみられる。一方で、ロシアとのバランスも重視し、中国一極依存を避ける姿勢ものぞかせた。

朝鮮中央通信などによると、朴氏は「新鴨緑江大橋が互恵的な経済協力に新たなエネルギーを吹き込むだろう」と強調。開通式では、中朝国交樹立や朝鮮戦争での中国軍参戦が10月だったことも新橋開通がこの時期になった背景にあると紹介されたという。

昨年の中朝貿易は27億3500万ドル(約4300億円)に上り、新型コロナ流行前とほぼ同水準に戻った。しかし、北朝鮮による石炭や鉄鉱石などの輸出を禁じる国連安全保障理事会の制裁により、北朝鮮は大幅な貿易赤字となっている。

また、北朝鮮は各地に工場や病院などを建設する「地方発展20×10政策」を進めており、建設資材や医療機器が不可欠。新橋開通による物流増で、制裁がなし崩し的に緩和されることを期待しているとみられる。

一方で、中朝関係は浮き沈みを繰り返してきており、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は2013年、後見人役で中国と近かった義理の叔父、張成沢氏を処刑。昨年以降、中朝関係は急速に回復したが、「北朝鮮は本音では中国を信頼しておらず、言うことを聞かない」(専門家)と言われる。

北朝鮮は9月、ロシアとの国境を流れる豆満江に架かる道路橋を開通させた。その式典でも、新鴨緑江大橋の開通式と同様、朝ロ両国の首相がオンライン形式で祝辞を述べた。いずれも朝鮮労働党機関紙「労働新聞」の2面で報道。どちらかに偏らない姿勢を徹底させている。

【時事通信社】 〔写真説明〕15日に行われた北朝鮮と中国を結ぶ「新鴨緑江大橋」の開通式(朝鮮通信・時事)

2026年10月17日 07時11分


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