金正恩氏の電撃訪問、中朝の思惑一致=「対トランプ氏」見据え



【北京時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が24日、中国を電撃訪問した。表向きは中国の朝鮮戦争参戦76年や国境の大橋開通を記念した活動だが、真の狙いは中朝の「蜜月ぶり」を国際社会に誇示することにあったとみられる。中国の習近平国家主席は北朝鮮への影響力を手に来月、米朝首脳会談に意欲を示すトランプ米大統領と会う見通しだ。

中国の地方都市にすぎない丹東は24日、徹底的な交通規制と厳重警備が敷かれた。国営新華社通信によると、中国共産党序列4位の王滬寧・全国政治協商会議主席が応対し、朝鮮戦争の記念館や自動車工場を案内。正恩氏は、中朝国境の川に架かる車両用大橋を訪問に使い、友好を演出した。

中国広東省深センでは来月中旬、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれ、今年3回目の米中首脳会談も行われる予定。トランプ氏は同会議に合わせたアジア外遊時に正恩氏と対面したい意向を示してきた。正恩氏が受け入れるかは不透明だが、まずは訪中を通じて「中国の後ろ盾」を固めた。

正恩氏が渡ったのは今月開通したばかりの新鴨緑江大橋。2014年の完成から10年以上放置されてきた「開かずの橋」だったが、「中国側の強い意向に北朝鮮側がようやく応じて開通にこぎ着けた」(専門家)と言われる。

中朝関係は、北朝鮮の核実験や、ロシアのウクライナ侵攻を巡るロ朝協力などを背景に一時冷え込んだ。局面を打開したのが、昨年9月に北京で行われた「抗日戦勝80年」記念行事で、訪中した正恩氏は天安門楼上で習氏、ロシアのプーチン大統領と軍事パレードを観覧。今年6月には習氏が7年ぶりに訪朝した。「北朝鮮はロシアとの関係が良好で、中国からは秋波を送られ、米国からもラブコールを受けて、とても心地よい」(外交筋)状況となっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国と北朝鮮を結ぶ「新鴨緑江大橋」を通行するトラック=15日、中国遼寧省丹東市(AFP時事)

2026年10月24日 21時18分


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