「いつ避難所を出られるのか」=仮設入居待ち、にじむ疲労―知事「年内整備を」・熊本地震3カ月



熊本県内では26日時点でなお1073人が避難所生活を余儀なくされている。「いつ避難所を出られるのか」。県は年内の仮設住宅整備を目指すが、長期化する避難生活に被災者は疲労をにじませている。

宇城市の避難所で暮らす宮本雪美さん(74)は、避難所の閉鎖による「引っ越し」を2回経験。「この避難所にもいつまで居られるのか。不安だ」と心境を吐露した。自宅は中規模半壊と認定され、仮設住宅への入居を申請したが、「選定から漏れた」と肩を落とした。

「早く出たいが行き先がない」。氷川町の西村勝一さん(75)は、母親と息子夫婦、孫3人の計7人で暮らしていた自宅が全壊した。母親は95歳と高齢のため老人ホームに入り、息子夫婦の家族とも別れて一人で避難所に身を寄せる。家族と近くで過ごせる仮設住宅を希望しているが、見通しは立たない。「正月には家族とおいしいビールが飲みたい」と話した。

仮設住宅に入居しない人もいる。八代市で避難所生活を送る女性(67)は、食器などが散乱したアパートの自室を少しずつ片付けているが、なかなか住める状態に戻らないという。体調も優れず、独り身の年金暮らし。「部屋を片付けて住むしかない」と言うが、擦り傷を負いながら何とか脱出した部屋に「戻るのも怖い」とこぼした。

県は、みなし仮設住宅を含めて計4000戸弱が必要と推計。今月には、年内をめどに建設型の仮設住宅を計1482戸整備する計画を示した。ただ、27日時点で完成した仮設住宅は371戸にとどまる。

今後、被災者のニーズに応じて建設戸数の増加も視野に入れるが、候補地の選定は容易ではない。広さと利便性のある土地が限られるためで、農地も活用しているが、地盤の補強が必要な場合は完成が年明けになることもあるという。

依然1000人超が避難所で暮らしていることに、木村敬知事は「重く受け止めている。最後の一人まで寄り添っていく」と強調。仮設住宅については「年内に何とか整備したい」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕7月の熊本地震で設置された避難所=21日、熊本県氷川町 〔写真説明〕建設中の仮設住宅=21日、熊本県宇城市

2026年10月28日 07時16分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース