衆院憲法審、開催見送り=最後の定例日、「桜」余波も



衆院憲法審査会は5日、今国会最後の定例日を迎えたが、与野党間の調整がつかず、開催は見送られた。首相主催の「桜を見る会」をめぐる対立も影響したとみられる。与党は来年1月召集の通常国会で仕切り直しを図るが、野党は対決姿勢を強めており、国会論議の環境を整えるのは容易ではない。

衆院憲法審は今国会中、審査会メンバーによる9月の欧州視察をテーマに、これまで計3回の自由討議を実施した。与党側はこの流れを定着させるため、5日も審査会の開催を目指したが、野党側と折り合えなかった。

与野党は5日、それぞれ幹事懇談会を開き、今後の対応を協議。ただ、いずれの会合でも、審査会見送りの責任を相手に押し付ける声が上がるばかりで、与野党の憲法論議が進展する兆しは見えないままだ。

「桜を見る会」をめぐる問題が拡大したことも、5日の審査会が開かれなかった要因になったとみられる。野党側は、安倍晋三首相に国会で説明責任を果たすよう求めているが、与党側は拒否。今国会の会期末を9日に控え、与野党の攻防が激化しているためだ。

自民党関係者は「野党側が『今の雰囲気では審査会を開ける状況にない』と言っている」と指摘。これに対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に「今国会でわれわれは憲法審査会に出てしっかり議論した」と反論した。

与党は、今国会成立を断念した国民投票法改正案と併せ、通常国会で改めて衆院憲法審の議論を進めたい考え。ただ、野党は引き続き「桜を見る会」をめぐる問題を追及する構えで、先行きは見通せない。

【時事通信社】

2019年12月05日 20時20分

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