農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円に引き上げる目標の達成に向け、政府が取りまとめる実行戦略の全容が27日、明らかになった。和牛を含む牛肉やリンゴ、ブリなど27品目を重点品目と位置付け、生産体制の強化を集中的に支援。品目ごとに目標額や具体的な方策を定める。
重点品目は他に、ブドウや茶、コメ、ホタテ、日本酒など。海外向けに特化した作物を地域ぐるみで生産する「輸出産地」を育成し、輸出先の消費者ニーズに合った商品を低コストかつ大量に生産できる体制を整える。30日に開催予定の関係閣僚会議でまとめる実行戦略に明記する。
輸出目標額は品目ごとに設定する。例えば、牛肉の25年の目標額は19年実績の約5.4倍に相当する1600億円。香港向けが6倍以上の330億円になる一方、輸出解禁の交渉を行っている中国向けがゼロから400億円と、最大の輸出先になる。
牛肉の輸出産地には、九州や北海道などの15地域を設定する予定。生産から輸出まで一貫して取り組む事業体を構築するほか、食肉処理施設の整備・改修などを支援する。
リンゴは台湾や香港を中心に伸ばし、目標は2割増の177億円。7地域を予定する輸出産地では水田での植樹などを進め、生産力を強化する。ブリは鹿児島や宮崎、大分、愛媛など5産地で漁場の大規模化などに取り組み、2.4倍の542億円に引き上げたい考えだ。
【時事通信社】
2020年11月27日 18時08分
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