一般社団法人 日本電子機器補修協会
自民党総裁選では憲法改正にどう取り組むかも注目点の一つだ。河野太郎規制改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4候補とも、9条への自衛隊明記など安倍晋三前首相の下で作成された4項目の改憲案を継承する立場を示すが、その積極性には温度差もある。
4項目は他に▽緊急事態条項の創設▽参院選の合区解消▽教育の充実―。安倍氏が首相在任中に提起し、2018年に「たたき台」として条文の形でまとめた。安倍氏は新憲法の20年施行を訴えたが、野党の抵抗もあり議論は全体的に低調。菅政権では改憲国民投票の利便性を高める改正国民投票法を成立させるのにとどまった。
改憲に最も積極的なのが安倍氏の支援を受ける高市氏だ。政策パンフレットで「『日本人の手による新しい日本国憲法』制定に力を尽くす」と表明。告示日の17日の共同記者会見で、4項目のうち特に緊急事態への対応を重視する考えを示した。討論会では現行憲法を「今の技術革新、安全保障環境、社会の変化に追い付いていない」と問題視した。
岸田氏は共同会見で4項目を「重要な課題」と位置付け、「総裁任期中に実現を目指したい。少なくともめどは付けたい」と踏み込んだ。保守票を意識した発言とみられるが、総裁選で掲げた政策は新型コロナウイルス対策と経済政策が中心。パンフは「新しい時代の変化に対応した憲法改正を目指す」としただけで、優先順位は必ずしも高くない。
河野氏もパンフに「新しい時代にふさわしい憲法改正を進める」と記したが、共同会見や討論会では4項目案の存在に触れる程度。むしろ「野党にもいろいろな提案があるだろう」と、国会での合意形成を重視する考えを示した。河野陣営の閣僚経験者は「大事には思っているが、現下の状況でまず取り組むことではないという姿勢だ」と解説する。
一方、野田氏は4項目案に賛意を表しつつも、「広く国民の意見を頂きたい」として、改めて民意を探る意向だ。また、現行憲法の内容や国民投票制度に対する国民の理解を深める必要があるとの認識を示している。
【時事通信社】
〔写真説明〕オンラインで開催された自民党総裁選候補者の政策討論会に参加する(左から)河野太郎規制改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=26日、東京都千代田区の同党本部
2021年09月26日 20時12分
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