【ワシントン時事】バイデン米大統領は3日、連邦政府の借入限度額である「債務上限」の効力停止などに関する法案に署名し、同法が成立した。これにより、財務省による上限以上の国債発行が可能となる。5日にも財政資金枯渇が迫る中、米史上初となるデフォルト(債務不履行)は瀬戸際で回避された。
債務上限停止法では、2025年1月まで31兆4000億ドル(約4400兆円)の現行上限の適用を停止する。一方、2年間の国防費以外の支出抑制なども盛り込まれた。
バイデン政権と野党共和党は、歳出削減規模を巡って激しく対立した。ただ、最も安全な資産とされる米国債がデフォルトとなれば、金融市場の混乱と世界経済への打撃は不可避だったため、バイデン氏とマッカーシー下院議長(共和党)は妥協。法案は1日までに、共和党が多数を占める下院を含め、議会を通過した。
【時事通信社】
〔写真説明〕演説するバイデン米大統領=2日、ワシントン(AFP時事)
2023年06月04日 05時55分