ガザ戦闘休止、さらに1日延長か=米長官、イスラエル・パレスチナ訪問



【エルサレム、ワシントン時事】ロイター通信によると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは1日、イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止について、さらに1日延長することで合意したと報じた。交渉仲介に当たるエジプト当局者の話として伝えた。3回目の延長で、11月24日に始まった戦闘休止は8日間となる。従来の合意期限は1日午前7時(日本時間同日午後2時)だった。

一方、AFP通信によると、イスラエル軍は戦闘休止の期限前にガザからロケット弾が発射され、迎撃したと明らかにした。ロイターはハマス系メディアの情報として、ガザ北部で爆発音や銃撃音が聞こえていると報じた。

ハマスは30日、イスラエル人の人質8人を解放。戦闘休止の延長には、ハマスが1日当たり人質10人を解放する必要があるが、カタール外務省報道官はX(旧ツイッター)で、29日に既に解放された2人を30日分に含め、10人が解放されたと説明。AFP通信などによれば、イスラエル側はパレスチナ人30人を新たに釈放した。

イスラエル訪問中のブリンケン米国務長官は30日、ネタニヤフ首相らと会談した後に記者会見し、「このプロセスが前進し続けることを望む」と述べ、戦闘休止の継続を訴えた。カタールとエジプトは2日間の休止延長を働き掛けており、人質を巡る駆け引きが続いているもようだ。

イスラエルは、協議が決裂すればガザでの本格的な軍事作戦を再開する方針を崩していない。ブリンケン氏は会見で、ネタニヤフ氏らとの会談では「ガザ北部で見られた多数の人命の損失と強制退去を南部で繰り返さない米国の責務を強調した」と明らかにした。

具体的には、イスラエルが軍事作戦を再開する前にガザ南部などで安全な地域を指定するほか、病院をはじめとする重要インフラの損害を回避するよう求めたと説明。イスラエル側は、市民保護や人道支援の重要性について理解を示したという。

一方、ブリンケン氏は30日、ヨルダン川西岸ラマラでパレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談。西岸地区でのパレスチナ市民に対する暴力を非難したほか、汚職撲滅など自治政府に求められる改革に関して意見交換した。

【時事通信社】 〔写真説明〕11月30日、エルサレムで、ブリンケン米国務長官(左)と握手するイスラエルのネタニヤフ首相(EPA時事)

2023年12月01日 13時27分


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