1日発足の石破内閣では自民党の無派閥議員が過半数を占め、「脱派閥」をアピールする陣容となった。石破茂首相は党総裁選で自らを支えた面々を手厚く処遇し、「論功行賞」の側面も鮮明となった。一方で若手の登用はなく、女性も2人にとどまった。
首相と閣僚計20人のうち無派閥(旧石破グループ、旧谷垣グループ含む)は11人。麻生派、旧茂木派、旧二階派から各2人、旧岸田派と旧森山派から各1人が入った。公明党は従来通り1人。旧安倍派からの入閣はなかった。
村上誠一郎総務相や岩屋毅外相、赤沢亮正経済再生担当相、伊東良孝地方創生担当相ら6人は総裁選で石破氏の推薦人を務めた。特に赤沢氏は首相の最側近と言える存在だ。小泉進次郎氏を推した坂井学国家公安委員長も、決選投票では石破氏支持に回った。
総裁選の対抗馬では林芳正官房長官が再任され、加藤勝信氏が財務相として再入閣した。関係者によると、両氏については首相が総裁選の論戦を通じて力量を評価したという。
一方、現職閣僚として戦った高市早苗、上川陽子、河野太郎の3氏は内閣を離れた。ただ、上川、河野両氏と小泉、加藤両氏の推薦人は計6人が閣僚に就任。首相と距離を置く高市氏の推薦人からはゼロだった。
全20人の平均年齢は63.6歳。直近の第2次岸田再改造内閣発足時(2023年9月)の63.5歳とほぼ変わらなかった。最高齢は伊東氏の75歳、最年少は福岡資麿厚生労働相の51歳だった。
初入閣は13人。岸田政権からの続投は林氏と公明の斉藤鉄夫国土交通相の2人だ。閣僚はいずれも衆院5回以上か参院3回以上の当選を重ねており、「若手」の起用は見送られた。
女性は阿部俊子文部科学相と三原じゅん子こども政策担当相。共に初めての閣僚だ。民間からの登用もなかった。参院からは福岡、三原両氏と浅尾慶一郎環境相が入った。衆院当選回数の最多は首相と村上氏で、12回を数える。
【時事通信社】
〔写真説明〕記念撮影する石破茂首相(前列中央)と閣僚ら=1日、首相官邸
2024年10月02日 12時52分