米共和党、つなぎ予算案発表=警備強化計上、議会通過めど立たず



【ワシントン時事】米共和党下院は16日、2025会計年度(24年10月~25年9月)末を今月30日に控え、予算切れによる政府機関の一部閉鎖回避を目指した11月21日までのつなぎ予算案を発表した。米社会で政治的暴力が激化する中、政府要人や議員らに対する警備強化対策が盛り込まれた。

与党共和党の議会指導部は今週、下院での予算案採決を目指す。共和党は下院で僅差の過半数にとどまる上、上院では議事妨害(フィリバスター)対策で野党民主党の協力が不可欠。民主党は予算案に反対しており、議会通過のめどは立っていない。

予算案では、政府関係者や議員、最高裁判事への警備強化関連で計8800万ドル(約130億円)が計上された。米国では保守活動家チャーリー・カーク氏の射殺事件や、ミネソタ州議会議員とその夫が銃撃され死亡するなど、政治的暴力が拡大している。

つなぎ予算案を巡っては、25年度の支出水準がほぼ維持されるため、共和党の一部議員が反発している。また、民主党が求める年末に失効する医療保険補助の延長も含まれておらず、同党議会指導部は16日の声明で「迫る医療危機を救う措置が何もない」と批判。「民主党との協力を拒むことで、政府閉鎖へ一直線に向かっている」と警告した。

〔写真説明〕米首都ワシントンを警備する州兵=8月24日(AFP時事)

2025年09月17日 12時50分


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