
政府は5日、経済財政諮問会議(議長・高市早苗首相)を開き、年齢にかかわらず能力に応じて負担し支え合う「全世代型社会保障」の構築に向け議論した。民間議員は、現役世代の保険料負担抑制を目指す制度改革を提言。首相は会議で「全ての世代を通じて納得感が得られる制度の構築に向けた国民的な議論を着実に進める」と述べた。
6月に政府が決定した経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」では、賃金や物価の上昇に応じて社会保障費を上乗せする方針を盛り込んだ。会議では、民間議員が2026年度予算編成での加算の実施を求めた。
一方で民間議員は、中・低所得の現役世代では可処分所得が伸び悩み、「保険料・税・自己負担に対する負担感が強まっている」とも指摘。医療の高度化で医療費が増えていることから、薬剤自己負担や高額療養費制度などの見直しについて「年末までに結論を得るべきだ」とした。健康寿命の延伸を踏まえた高齢者の定義の見直しも提言した。
〔写真説明〕経済財政諮問会議で発言する高市早苗首相(手前から2人目)=5日午後、首相官邸
〔写真説明〕経済財政諮問会議で発言する高市早苗首相(左手前から2人目)=5日午後、首相官邸
2025年12月05日 21時27分