米国とイスラエルによるイラン攻撃から1カ月。原油高騰による景気悪化懸念から日経平均株価は急落し、6万円到達は遠のいた。外国為替市場ではドルが買われて円安に傾き、長期金利は27年ぶりの高水準となるなど、中東情勢は市場を揺るがした。
2月27日の東京市場の取引終了後、米国とイスラエルはイランを攻撃してハメネイ師を殺害。同日に5万8000円台後半だった日経平均は週明け3月2日から3日続けて下落し、5万4000円台まで押された。その後、値ごろ感などからいったん買い戻されたが、ハメネイ師の後継に対米強硬派とされる次男のモジタバ師が選ばれ、米国の原油先物が急騰すると、翌週9日には一時5万1000円台まで値下がりした。
その後もイラン情勢と原油相場の動向に一喜一憂し、日経平均の騰落幅が1000円を超える荒れ模様の相場が続いた。27日終値は2月末と比べて9%安く、このまま月末を迎えれば3月の月間下落率は2020年3月の「コロナショック」以来の大きさとなる。
原油高は燃料や石油製品の価格上昇を通じて企業業績や消費を圧迫するため、株価の重しになっている。企業が来年度の業績予想を立てる時期に原油が高騰し、「昨年来の日本株の上昇相場を支えた26年度の2桁増益シナリオが怪しくなった」(大手証券)。米国のインフレを加速する要因ともなり、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが景気や金融市場を押し上げるとの期待もしぼんだ。
東京外国為替市場の円の対ドル相場は、1ドル=159円台後半まで下落。米イスラエルとイランの軍事衝突が長期化するとの見方から「有事のドル買い」が強まった。原油高によるインフレ懸念を背景に、FRBの利下げ観測が後退したことも、ドル買いを後押しした。市場関係者は「イラン情勢の早期収束が見通せず、円相場が心理的節目の160円台に下落するのは時間の問題」(FX会社)と話している。
東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが、3月27日に2.385%と27年ぶりの高水準を付けた。物価が上昇するとの見方から債券売りの圧力が強まっている。
2026年03月28日 07時52分
economy